展覧会

和紙を知る ILLUSION 柴崎幸次のあかり

会期
2026年10月23日(金)から
2027年02月28日(日)



インテリア・アーティスト柴崎幸次(しばざきこうじ/1964-)の代表作Nightface series(ナイトフェイス・シリーズ)は、和紙を何層にも重ね貼りし、透過した光の陰影の差で不思議な立体感が現れるあかりです。

明るい場所に置くと和紙に包まれた白い箱に見えますが、光を灯すと複雑な“だまし絵”のような立体感が現れ、より暗い環境になると錯視はさらにリアルに、迫真性が表現されます。

 


《Night morning glory(夜の朝顔)》2026年
撮影:宮川邦雄 Choice

《Blue-violet aquilegia(青紫のオダマキ)》2026年
撮影:宮川邦雄 Choice

さかのぼること約40年前に柴崎が学生時代に制作したあかりは、10年ほど経つと表面に使用した紙がボロボロと崩れ、一方で美濃和紙だけがそのまま残っていました。

この経験が、柴崎が時代を超えて使える本物の和紙に興味を持つことへと繋がります。

2007年には愛知県立芸術大学に和紙工房を立ち上げ、以降は自らの手で漉いた和紙を作品に使用しています。

 

本展では、当館のアール・ヌーヴォー空間に柴崎のあかりが灯され、100年以上前のフランスの職人たちの手による家具を照らします。また、エミール・ガレのデザイン装飾にインスパイアされて制作した新作のあかりも展示します。

和紙を知り、本物の和紙の魅力を追い求めるインテリア・アーティスト柴崎幸次が創出するILLUSIONの世界、そして、国を超えて、時代を超えて、手仕事から生み出される美や質感をこころゆくまでおたのしみ下さい。

 


《Night magnolia I(夜木蓮 I)》2026年
撮影:宮川邦雄 Choice

《Pale violet  aquilegia(薄紫のオダマキ)》2026年
撮影:宮川邦雄 Choice

展覧会の見どころ
■白い箱に光を灯すと不思議なイリュージョンの世界があらわれる

本展は、柴崎幸次の代表作Nightface seriesにフューチャーした、国内で初めての大規模展です。

明るい場所では白い和紙の箱に見えるNightface seriesは、内部の光を灯すと複雑に積み木が重なりあっているような不思議な幾何学模様が浮び出すあかり作品です。

展示室全体に配置されたNightface seriesが、120年あまり前にフランスの職人たちによってつくられたアール・ヌーヴォーの家具を照らします。

 

■尊敬するエミール・ガレへのオマージュ
今回の会場となる展示室にちなんで、新作には柴崎が日頃から尊敬しているアール・ヌーヴォーの作家、エミール・ガレの工芸装飾の描画的表現が取り入れられています。

本展初公開の、新作のアール・ヌーヴォー風のあかりは必見です。

 

■和紙を知る=和紙の魅力を知る展示

和紙研究者としての顔を持つ柴崎は自分で漉いた和紙を作品に採用しており、また、本展の作品には草木染めによる和紙を多用しています。

Nightface seriesが持っている独特の肌触り=触覚感や温かみは、自作の和紙を利用することで生み出されています。

加えて、タペストリーなどの作品には勤務先の大学内で出た和紙のゴミ(紙の縁、失敗した作品など)を再生して使っています。近年、世界規模で意識されてきている SDGs(持続可能な開発目標)の取り組みのひとつとして挙げられる項目のようでもありますが、これは“漉き返し”という古くから日本に伝わる由緒ある古紙再生方法です。

展覧会の最後では、柴崎が産学連携事業として取り組んでいる、廃棄物から紙をつくるプロジェクトを紹介します。わたしたち日本人が、あらためて「和紙を知る」=和紙の魅力を知る機会となることでしょう。

 

《Composition of various triangles, small lamp-05》2026年
《Composition of various triangles, small lamp-06》2026年

開館時間

平日 午前10時から午後5時30分
土日祝 午前10時から午後5時
(最終入館は閉館30分前まで)

入館料

一般:1,300円(10名様以上1,100円)
小・中・高生:500円
小学生未満:無料
*各種障害者手帳をご提示の方とその同伴者1名は1,100円
*音声ガイド無料サービス

休館日

月曜日(ただし11月23日、1月11日は開館)、11月24日、1月12日、年末年始(12月28日~1月4日)

主催 ヤマザキマザック美術館、中日新聞社
後援 愛知県教育委員会、岐阜県教育委員会、三重県教育委員会、名古屋市教育委員会、
公益財団法人名古屋市文化振興事業団
協力 株式会社カセットミュージアム、クラヴサン工房アダチ
特別協力




【事前申込制】記念講演会

演題:「和紙を知る」

和紙をテーマに幅広く活動を行う柴崎氏から、素材研究についてお話を伺います。

愛知県立芸術大学内に創設した和紙工房の活動についてやサステナブルと紙など、紙(和紙)文化の過去・現在・未来を語っていただきます。

講師:柴崎幸次氏(愛知県立芸術大学美術学部デザイン工芸科デザイン専攻教授)

写真:宮川邦雄 Choice

日時:2027年1月10日(日)14:00~15:30 13:30開場

開催場所:マザックアートプラザ(美術館北側隣接ビル)4階会議室
申込方法:2026年11月13日(金)よりお電話(052-937-3737)にて承ります。

定員:60名(自由席)
参加費:無料※要本展鑑賞券(半券でも可) 

 

講師略歴

1964年京都市生まれ。

愛知県立芸術大学デザイン専攻卒業。龍谷大学経営学研究科修了。

1988-1991年、株式会社竹中工務店勤務。1991-1999年までインテリアとメディアのデザイナー。

現在、愛知県立芸術大学デザイン専攻教授。2003年美濃和紙あかりアート展大賞、2006年第46回日本クラフト展・読売新聞社賞等受賞多数。

「紙を知り、経験する」を第一の目標に、自ら大学内に和紙工房を作り、教育プログラムにも和紙を取り入れ16年間継続している。

自らの作品の和紙を自分の工房で漉き、学生と共同で和紙素材の研究展を開催している。また、和紙の産地視察旅行、海外との紙研究に関する国際交流プロジェクトを主催するなど、和紙を題材に幅広い活動を行う。

和紙による照明作品「Nightface Series」による展覧会は代表的な活動である。

光を遮り、闇を創り、和紙のタペストリーと小さな光で見せる会場演出により、従来の日本家屋で使われた照明と唐紙や掛け軸、障子のなど光が透ける関係を忠実に作品として再現。和紙に施された金箔、銀箔、雲母などを巧みに利用した演出により、かつて行灯の小さな光が育んだ「日本家屋の光の思想」を鑑賞者は体験することができる。

近年では、「廃棄物 廃棄物で紙をつくる。サステナブル時代の、連想、偶発、アイディエーション!」と題し、紙文化のあらたな価値を探求している。

ガイドツアー

■作家と当館学芸員がご案内

製作の裏話や制作技法について作家自らが語ります。展覧会の見どころをわかりやすく解説します。
参加無料※要当日鑑賞券 / 予約不要 / 定員20名(先着順)
日時: 11月14日(土)、12月12日(土)、2月13日(土) 各日10時30分から11時30分

 

■当館学芸員がご案内

展覧会の見どころをわかりやすく解説します。

※ツアーの最後に、安達正浩氏が製作したチェンバロの音色とともに出品作品《美しく青きドナウ》の図形楽譜をご紹介する時間があります(演奏はツアー時間内に含みます)
参加無料※要当日鑑賞券 / 予約不要 / 定員20名(先着順)
日時:10月24日(土)、11月28日(土)、12月26日(土)、1月23日(土)、2月27日(土)  各日10時30分から11時30分

 

《Purple morning glory in dark blue(群青に紫の朝顔)》2026年 撮影:宮川邦雄 Choice

【事前申込制】ナイトミュージアム

閉館後の展示室で絵画に囲まれながら音楽に親しんでみませんか?

※申込方法等、詳細はおってお知らせ致します。

日時:12月19日(土) 17:45受付開始 / 18:15開演 / 19:15終演予定

会場:ヤマザキマザック美術館5F展示室

費用:友の会会員2,000円(税込)、一般4,500円(税込)※一般申込者には本展覧会の当日券付