展覧会

アール・ヌーヴォーの伝道師 浅井忠と近代デザイン

会期
2018年11月17日(土)から
2019年02月17日(日)

浅井忠(1856-1907)は、黒田清輝と並んで明治期の日本洋画を代表する巨匠です。佐倉藩士の長男として江戸木挽町に生まれ、1876(明治9)年、国澤新九郎の画塾彰技堂に学んだ後、日本初の西洋美術学校である工部省工部美術学校に入学しました。そこで、バルビゾン派の影響を受けたイタリア人画家アントニオ・フォンタネージの指導を受け、主に風景画を描くようになります。1889(明治22)年には明治美術会を創立して中心的な作家となっており、1898(明治31)年には東京美術学校教授となりました。

1900-02(明治33-35)年、アール・ヌーヴォー全盛期のフランスに「西洋画研究」のため留学した浅井は「パリ万国博覧会臨時博覧会監査官」の職も務めました。そして、バルビゾン派ゆかりのフォンテーヌブローの森近くのグレーをしばしば訪れ、バルビゾン派の影響が垣間見られる風景画を制作すると共に、当時最盛期を迎えていたアール・ヌーヴォーのデザインにも興味を持ち、現地の陶工アルベール・ブエと組んで、陶芸デザインに初めて取り組んでいます。帰国後は京都高等工芸学校(現・京都工芸繊維大学)で教鞭をとるかたわら、陶芸・漆芸など工芸作品のデザインにも積極的に携わりました。

この展覧会では、第一部〔浅井忠が滞欧期および帰国後に制作した油彩画・水彩画〕、第二部〔浅井忠、建築家武田五一が、京都高等工芸学校の教材としてフランスで蒐集した作品をはじめとする19世紀末~20世紀初頭のポスター・工芸作品〕、第三部〔浅井忠絵付陶芸作品、浅井忠の工芸図案、それをもとに制作された工芸作品〕という三部構成によって浅井忠の制作とアール・ヌーヴォーのデザインとの関わりを探ります。

浅井忠 《グレーの放牛》1901年 水彩・紙
東京国立博物館(高野コレクション)
Image:TNM Image Archives
浅井忠 《グレーの柳》 1901年
油彩・キャンヴァス 京都市美術館
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック
《ディヴァン・ジャポネ》 1892年
リトグラフ・紙
京都工芸繊維大学美術工芸資料館 AN.4816
ルイス・コンフォート・ティファニー
《花形ガラス花瓶》ガラス
京都工芸繊維大学美術工芸資料館 AN.1203
浅井忠図案、杉林古香 《野分蒔絵文庫》 
1906年以降 蒔絵・螺鈿
京都工芸繊維大学美術工芸資料館寄託
浅井忠図案《白樺・楓図絵皿》 1902-07年
陶器 佐倉市立美術館
浅井忠《図案画稿(風俗図)》
1902-07年 水彩・紙
千葉県立美術館
主催 ヤマザキマザック美術館、中日新聞社
後援 在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本、愛知県教育委員会、岐阜県教育委員会、三重県教育委員会、名古屋市教育委員会、名古屋市文化振興事業団
協力 株式会社カセットミュージアム
特別協力 京都工芸繊維大学美術工芸資料館




記念講演会

第1回 2018年12月2日(日)

「浅井忠の創作-絵画から工芸へ-」

講師:前川公秀氏(元佐倉市立美術館館長) 

第2回 2019年1月13日(日)

「浅井忠と近代京都のデザイン-京都工芸繊維大学コレクションから-」
講師:並木誠士氏(京都工芸繊維大学美術工芸資料館館長)

予約:不要  定員:80名(先着順)

参加費:無料 ただし要本展鑑賞券(半券でも可)

開催場所:マザックアートプラザ4階会議室(美術館北側隣接ビル)

ワークショップ

陶磁器上絵付け「花模様のきらきらブローチを作ろう!」

浅井忠の花のデザイン画と名古屋独自の上絵付けの技法「凸盛り」を使って、素敵なブローチを作ります。

①2018年12月16日(日)13時30分から(所要時間約1時間30分)

②2019年1月27日(日)13時30分から(所要時間約1時間30分)

講師:「なごや凸盛り隊」杉山ひとみ氏・安藤栄子氏(厚生労働省認定 陶磁器上絵付け一級技能士)

定員:各回12名

※要予約・先着順・小学生以上・小学2年生までのお子様は保護者同伴のこと

参加費:2000円(税込)※要本展鑑賞券(半券でも可)

開催場所:美術館一階エントランスホール

予約方法:美術館受付もしくは電話にて①氏名②電話番号③参加人数④参加日をお伝えください。

*作品は焼成後(約10日後)の引き渡し。(着払いで郵送も可)

      


秋の所蔵品展

会期
2018年08月30日(木)から
2018年11月11日(日)
ニコラ・ランクレ《からかい》1736年 油彩・キャンヴァス

ヤマザキマザック美術館のコレクションは、ヴァトー、ブー シェ、フラゴナール、シャルダンら、フランスのオールドマスターがきら星のように輝くロココの時代に始まり、新古典主義のアングル、ロマン主義 を代表するドラクロワ、写実主義、印象派、エコール・ド・パリまで、18世紀から20世紀にいたるフランス美術300年の流れを一望できる構成となっています。

19世紀末にフランスを中心に花開いたアール・ヌーヴォーの美術工芸作品も、当館の特色です。 アール・ヌーヴォーを代表するガラス工芸家、エミール・ガ レ、ドーム兄弟らのガラス工芸作品をご堪能頂けます。特にガレ晩年の作品はきわめて質の高いもので、日本の美術館のコレクションの中でも重要な位置を占めています。

その他にも、展示室では、アール・ヌーヴォーの家具をご覧いただけます。
棚や椅子から、テーブル、暖炉、壁面フレームにいたるまで、一部屋全体が統一してデザインされたアレクサンドル・デュ マによるダイニングルームをはじめ、ルイ・マジョレルやエミール・ガレがデザインした家具の数々が、当時の雰囲気そのままに展示されています。
19世紀末のフランスの邸宅に迷いこんだような気持ちで、ゆったりと作品と向き合うことができる空間となっています。  

主催
後援
協力
特別協力




オルゴールコンサート

ディスクオルゴールの演奏会を行います。
「100年前のオルゴール ~パリの街をときめかせた音色~」
日時:11月3日(土)、11月4日(日) 各日10時30分から11時30分と14時から15時の2公演
場所:4階展示室
2台のディスクオルゴールが100年前の音色を奏でます!


尾州徳川の花相撲 帝もサムライも熱中!いとしの植物たち

会期
2018年04月20日(金)から
2018年08月26日(日)

奈良・平安時代の宮中で行われた天覧相撲「相撲節会(すまひのせちえ)」では、東方力士が勝利すると朝日を受けて咲く葵(あおい)の花を、西方力士が勝つと夕日を受けて咲く夕顔(ひょうたん)の花を、それぞれの髪に差して退場。力士たちはそれらを褒美として受け取り、花を衣類や食料品に交換したと伝わり、花相撲の名の由来はこの時代にさかのぼります。 江戸時代になると「花相撲」は花の品評会をあらわす言葉となり、相撲の番付のように園芸品の番付が出され、大関から前頭までを東西に花を分け、葉や花弁の美しさ、珍奇さなどを競い合いました。そしてそれらの植物は、栽培方法などとともに「植物図譜」として描かれ、数多く出版されるなど、江戸時代の日本は、世界でも類を見ない独自で多様な園芸文化が花開きました。

本展では、ヤマザキマザック美術館の斜め向かいに位置する名古屋園芸の創業者・ご隠居 小笠原左衛門尉亮軒氏が50年以上にわたり蒐集している「雑花園文庫」からとっておきの植物図譜などを、知って楽しい“花の対決”視点でご紹介します。また日本の植物や園芸文化に心惹かれ「ナンシーの日本人」とまで言われたアール・ヌーヴォーのガラス作家エミール・ガレの作品、そのモチーフとなった植物を描いた現代のボタニカルアートの作家たちとの饗宴をあわせてご覧いただきます。

ヤマザキマザック美術館が位置する「名古屋市東区葵」の“葵”の名は、徳川家の家紋である葵の花に由来します。朝日を受けて咲く花「葵」の地での多様な「花相撲」をお楽しみください。

『象形花卉帖』(1923年)
飯田恵秀 ツバキ
主催 ヤマザキマザック美術館、中日新聞
後援 愛知県教育委員会、岐阜県教育委員会、三重県教育委員会、名古屋市教育委員会、名古屋市文化振興事業団
協力 名古屋園芸株式会社、NHK文化センター名古屋教室、株式会社深雪スタジオ、株式会社カセットミュージアム、日本植物画倶楽部、ボタニカルアート四季の会
特別協力




記念講演会

5月6日(日)14時から(13:30開場)

「1000年後の正倉院 雑花園文庫の魅力」

講師:小笠原左衛門尉亮軒(名古屋園芸株式会社取締役隠居 雑花園文庫庫主)


5月27日(日)14時から(13:30開場)

「エミール・ガレとジャポニスム」

講師:鈴木潔(美術史家)


6月24日(日)14時から(13:30開場)

「尾張の植物と自然」

講師:北岡明彦(豊田市森林課副主幹 とよた森林学校主任講師)


7月8日(日)14時から(13:30開場)

「変化朝顔の世界 その摩訶不思議な魅力」

講師:まついあけみ(ボタニカル・アーティスト) 

     

8月4日(日)14時から(13:30開場)

「クセ(特徴)がすごいぞ 薬用植物!」

講師:野崎香樹(武田薬品工業株式会社  京都薬用植物園課長代理)

ナイトミュージアム

4月28日(土) 17時15分受付開始/18時開演

  「春うらら♫ 瀬﨑明日香ヴァイオリンコンサート」

出演者:瀬﨑明日香(ヴァイオリニスト)

東京藝術大学、パリ高等音楽院大学院卒業。宝塚ベガコン、日本音コン他多数優勝。都響、ミュンヘン放送響等と協演。NHK、Radio Classique、RAI等に出演。ソロCD2枚をリリース。

曲目:

パガニーニ 24のカプリースより 17,2,13,24

バッハ 無伴奏ヴァイオリンソナタ第3番ハ長調

エルンスト 夏の名残りの薔薇 他


春の所蔵品展

会期
2018年03月01日(木)から
2018年04月15日(日)
ニコラ・ランクレ《からかい》1736年 油彩・キャンヴァス

ヤマザキマザック美術館のコレクションは、ヴァトー、ブー シェ、フラゴナール、シャルダンら、フランスのオールドマスターがきら星のように輝くロココの時代に始まり、新古典主義のアングル、ロマン主義 を代表するドラクロワ、写実主義、印象派、エコール・ド・パリまで、18世紀から20世紀にいたるフランス美術300年の流れを一望できる構成となっています。

19世紀末にフランスを中心に花開いたアール・ヌーヴォーの美術工芸作品も、当館の特色です。 アール・ヌーヴォーを代表するガラス工芸家、エミール・ガ レ、ドーム兄弟らのガラス工芸作品をご堪能頂けます。特にガレ晩年の作品はきわめて質の高いもので、日本の美術館のコレクションの中でも重要な位置を占めています。

その他にも、展示室では、アール・ヌーヴォーの家具をご覧いただけます。
棚や椅子から、テーブル、暖炉、壁面フレームにいたるまで、一部屋全体が統一してデザインされたアレクサンドル・デュ マによるダイニングルームをはじめ、ルイ・マジョレルやエミール・ガレがデザインした家具の数々が、当時の雰囲気そのままに展示されています。
19世紀末のフランスの邸宅に迷いこんだような気持ちで、ゆったりと作品と向き合うことができる空間となっています。  

主催
後援
協力
特別協力